脊椎とは主に背骨を差しますが、その背骨の脊柱に強い外力が加えられることにより、
中を通っている知覚及び運動の神経組織の束が損傷されることです。
主に事故や病気などで脊髄が傷つき、運動や感覚の神経伝達路が損傷されることで、
さまざまな機能障がいを伴います。
【症状の特徴】
脊髄神経の損傷部位によって障がいの程度が異なりますが、
頸椎を損傷した場合は、頸椎以下の反射、知覚、運動機能が消失し、
四肢麻痺が現れます。
また胸髄の損傷では、両下肢・体幹の麻痺が現れ、
腰髄の損傷では両下肢の麻痺が現れます。
損傷部位が脳に近くなるほど麻痺の範囲が広がります。
それに伴い下記のについても考える必要があります。
- 運動機能障がい
- 体温調節障がい
- 呼吸機能障がい
- 排泄障がい
- 褥瘡
「運動機能障がい」とは、
動かない部分をみるのではなく、動く部分を最大限に活かすことで、
どこまで動けるかを考える必要があります。
また介助道具や電動車いすなどを使用することにより、
1人で移動することが可能な方もいれば、
介助者に対して意思表示が伝えれることで、
自己の尊重をした行動をすることもできます。
「体温調節障がい」とは、
頸髄損傷の場合に体温調整が上手く行えない場合があり、
発汗に障がいを伴い、気温が高いときなどに急激なだるさを訴えることがあります。
「呼吸機能障がい」とは、
胸髄損傷の場合、呼吸機能が低下するとともに分泌物が気道に溜まりやすく、
炎症を起こすことがあります。
「排泄障がい」とは、
尿意・便意が脳にうまく伝わらず、尿路感染症などを引き起こしやすくなります。
また損傷の程度により個人差がありますが、
尿意・便意が喪失している場合はカテーテル(管のようなもの)を留置したり、
カテーテルは持ち運びに不便という方は自己尿道グッズを使用したりします。
(参考ブログはこちら)
不完全損傷により、
尿意などがわずかにある場合は安易にオムツやカテーテルを留置すると、
逆に排泄機能の低下につながることがあります。
「褥瘡」とは、
2次障がいとして起こりやすいのですが、
同じ体位で過ごすことが多くなるため血行が不全となって周辺組織に壊死してしまいます。
一度褥瘡ができてしまうと細菌感染や発熱などを起こすことがあり、
全身の状態が悪化することがあります。
また座位での褥瘡の多くは坐骨に発生すると言われています。